そして、逃げた。
「最悪だ」
屋上へとやって来た。
「…本当に最悪だ」
後ろに君が追ってきていた。
「ほれ、上履き」
軽く私の方に投げた。
「いいか、上履きは履くもんだ。
投げるもんじゃない。
痛いだろう~が」
上履きが当たった頬を赤くして君は言う。
「ごめん、痛かった?」
「いて~よ、何してくれんだ」
どうして、私は君なんだろう?
どう見てもそこらへんにいる男子と変わらないのに・・・どうしてかな?
「やきもち…焼いた」
「は?」
君は私の方をバッと見て、顔全体を赤くした。
なんて、単純な!!
言葉をそのまま受け取る素直な人なんだろう。
可愛すぎる。
衝動は止められない。
私は上履きを履かずに君目がけて走り飛んだ。
君も私が抱きつくことに気づき、逃げようと背を向けたが。
私の方が早かった。
私は思いっきり君に抱きついた。
暖かくて、素直な人。
私の大好きな人。
「…おい、こういうのは付き合ってからにしない?」
君は私が絡みついている腕を取ることなく言った。
耳まで赤くなっていた。
君の言葉に私は君と同様顔を赤くした。
「え?」
「・・・だから!!」
君の次の言葉に私は嬉しくって思わず君の頬にチュッとキスをした。
*上目~
結果、彼は彼女が好きっという。
なんだ!!お前ら見せ付けるな。
2009,2,15日分22日