FAKE‐LAKE

『特殊』

『博士』

その単語に、妙な不安を感じるのだ。

その言葉を聞いた記憶は一度も無いのに。

言われた事も会った事も無いはずなのに。

また、左腕が疼く。

そこには、レイのような“印”は無い。

それなのに――――


アンジェは目をつぶり、深く息をついた。

考えない。知らなくていい。

「……大丈夫。大丈夫なんだ」

自分に言い聞かせるように、アンジェは何度も何度もそう繰り返した。