FAKE‐LAKE

「アツキ」

「何だよ」

セティは椅子に深く座り、黒い服の背中に問いかける。

「今日も“仕事”なのか?」

アツキは答えない。振り向かない。それが彼の肯定の返事だ。

「俺は反対だからな、アツキ」

「あんたに関係ないだろ」

間髪入れずに低い声が反発する。

「金のためじゃないなら止めておけ」

「は、じゃ金のためならいいのか?」

セティの言葉を鼻で笑い、アツキは振り返った。真剣なセティの目が、触られたくない本心まで見抜いている気がして苛立ちを覚えた。

「人の物を奪って不安を煽って。それでお前は何を手にした?少しでも幸せになったか?」

怒りのこもった鋭い睨みにも怯まず、セティは言葉を続ける。アツキはぐっと拳を握りしめた。