FAKE‐LAKE

時計の長針は半周進み、面会に許された時間が終わる事を教えていた。レイは立ち上がる。

「今日はこれで帰るけど、毎年約束守ってるか確認しにくるから覚悟しといてよね」

「分かった」

入口へと向かうレイを見送るため、博士も立ち上がる。

「ああ、そうだ」

レイは振り返り、人差し指を博士の鼻先に突き付けた。

「しつこいようだけど、僕、一生許す気ないんだからね」

確認するように何度も繰り返すレイ。

その言葉に隠れた自分への気遣いと、『生きて』と言うレイの願いに博士は胸が熱くなった。

「分かったよ」

「じゃ、元気で」

そう言ってレイは扉を開けようとドアノブに手をかけた。

瞬間、

「……レイ」

駆け寄る足音が聞こえ、レイは博士に後ろから抱きしめられた。