FAKE‐LAKE

「少年?」

いよいよ訳が分からず博士は首を傾げた。会いにくるような知り合いも親戚もいないはずだが。

「博士に会うためにミドルスクール(中学校)の休みを使って来たそうですよ?最初監視人が断ったのですが、お小遣はたいてやって来たのにと泣かれて折れたようで」

苦笑いしながらそう話していた監視人を思い出し、クリスは口元に手を当てて楽しそうに笑った。

「可愛い少年でした。きっと博士に憧れて会いに来たんですよ」

「それはとてつもなく可哀相な少年だな」

自嘲気味に笑い、博士は立ち上がった。

「応接間に案内しておいてくれ。すぐに行くから」

「では、お茶をお運びしておきますね」

「ありがとう、クリス」

クリスは父親に対するように、優しく博士に微笑みかけた。