FAKE‐LAKE

「だから、やりたい事があるならさせてやりたい。行きたい所があるなら行かせてやりたい。今まで奪われた時間の分も自由に生きてほしいんです」

レイに残された時間があとどれだけかはわからない。

でもせめてその間は幸せに、悔いのないように生きてほしい。

そう言って窓の外を見るシアナの横顔はひどく寂しそうだった。

「そんな……あんまりだ」

どうしてレイがそんな悲しい重荷を背負わなきゃいけないんだよ。

言っても仕方ない事と知りながら悔しそうに呟くアツキの肩にそっと手を置き、リーナは優しく言った。

「レイが笑顔で帰って来るのを待ちましょう。私たちが笑っていなきゃ、レイは悲しむわよきっと」




レイは国を移動するたびに絵葉書を送ってくれた。時には仲良くなった人と写っている写真もあった。

明るい笑顔、生き生きしている文面。

シアナをはじめ、みんなレイからの葉書が届くのを楽しみに待つようになり、やがて季節は秋を迎えた。