FAKE‐LAKE

なるほどね、とアツキは腕組みする。

「で、奴は協力したわけか」

「違う」

セティは首を横に振った。

「博士は拒否したんだ。そんな事の為に開発したのではないと」

「じゃ、どうして」

「彼らは博士をF基地に監禁した。それがどういう意味か、お前にならわかるだろ?」

アツキは俯いた。そう、思わず苦しくなるほどよくわかる。

政権が変わる以前のロスタナは、表向きは民主主義をうたいながら裏では軍が力を握っている隠れた軍事政権だった。

国や政府に反抗・反対する人間をひそかに抹殺する場所。国の安全を脅かす動きを人知れず握り潰すための機構。それがF基地だった。

「彼らはあらゆる手を使って博士に協力を迫った。恐らく、レイと同じ位酷い目に遭ったはずだ」

「そんな」

「それでも首を縦に振らない博士に業を煮やした彼らは、奥さんとまだ幼い息子を捕まえてきて博士を脅した」