FAKE‐LAKE

「こんちはー」

アルが土産屋に入ると、奥にある作業所で店主がガラスを削っていた。

店内にはガラス工芸品やビーズで出来たアクセサリーがお洒落に飾られている。

「お、アルまた来たのか」

「うん! おじさんに会いに」

作業の手を止めて、店主――ビリーと言うらしい――はアルに椅子をすすめた。

「コーヒーでも飲むか?」

「うん、ミルクたっぷりで」

ビリーはアルが首から下げている入園チケットを見て吹き出した。

「また小人料金で入ったのか」

「だってチケット売り場のおばさん、大人一枚って言ったのにわかってくれないんだもん」

アルは眉間にシワを寄せて不服そうに説明した。

「しまいには『今日は特別に許してあげるけど、今度はお父さん達と来なさいね』とか引き攣った顔で言われてさ。無理矢理小人用のチケット渡されて」

「ま、いいじゃないか。その分安く入れるんだから」

ビリーは笑いながらアルにカフェオレを手渡した。