FAKE‐LAKE

「それじゃ奇術師と言うより大道芸人だな」

「でもそのほうが楽しいんだもん」

アルは高く上がる噴水を振り返った。水しぶきが陽の光をあびて宝石みたいにキラキラ光っては消える。

「いろんな国を回って、いろんな人に出会えて。沢山の人の笑顔を見られるから、旅芸人やめられないんだよね」

「お前らしいな」

マスターは昼食のピークに備えて仕込みを始めた。野菜を刻んでパンに挟むサラダを作る。

「でもさぁ」

アルは紅茶をこくりと一口飲んだ。

「唯一大変なのが、公園とかで仕事してるとどの国でも一度は補導されるんだよね」