FAKE‐LAKE

「やるよ、お前に。試作品だから片耳分しかないけど」

「え、ちゃんと払うよ」

アルは飲んでいたカフェオレを作業台に置いてポケットから財布を取り出した。

「いいよ、デザイン考えてもらったしな。デザイン料としてもらっとけよ」

そう言ってビリーはまたニヤリと笑う。

「その代わり、このデザインが売れた稼ぎは俺が全部もらうからな」

「あは、抜目ないなぁ」

ありがとう、とアルはピアスを受け取った。

「つけていい?」

「もちろん」

鏡を見ながら左耳につけ、嬉しそうにアルはビリーを振り返った。

「似合う?」

一瞬。ほんの一瞬。

ビリーは不思議な感覚に陥った。

いつもは帽子で隠れている髪をふわりと下ろしたアルの姿が、まるで――


「どしたの?」