FAKE‐LAKE

「これ、幾ら? 僕欲しいな」

ピアスを手にとってアルが尋ねると、ビリーは不敵に笑って人差し指を振った。

「高いぞ、それ。羽根は本物だし、ビーズは天然石だし」

「うん、高くても欲しい。カッコイイもん、これ」

アルは自分の左耳にピアスを当ててみる。少しずれた帽子から覗く髪の色を見てビリーは呆れたように笑った。

「お前、ずいぶん変わった色に染めてんな」

「あ、髪?」

すごいでしょ、と言ってアルは帽子を取る。長い襟足がふわりと肩に落ちた。

「僕、仕事柄目立たなきゃいけないからさ。チビだっていうハンデがある分せめて奇抜なカッコしないと」

「確かにチビでも目立つな、それは」

そう言ってビリーはピアスを自分に返すアルの笑顔を見つめた。

生き生きした瞳。明るい表情。すぐに人と親しくなれる懐こい性格。

一週間前に会ったばかりなのにずっと昔から知っているような気になるのは、アルの持っている不思議な魅力のせいだろう。

ビリーはアルにピアスを差し出した。