FAKE‐LAKE

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博士はペンを置き、深く息をついた。

手記、とでも言おうか。今までの事すべてを連ねた文章を今書き終えた。

奪われた家族への思い。憎しみに狂って自分が犯した間違い。

あれから、五年。

流れた月日と苦しい過去を認めた事が、復讐に狂っていた博士を本来の穏やかな人間に変えていた。

手記の最後のページにはこう書かれている。

『私は復讐に狂うあまり、罪無き一つの命を握り潰してしまった。

そうする事は間違っていないと、復讐するためなら誰を傷つけても構わないとそう思っていた。

しかし、今になってその事を深く後悔している。毎夜、傷ついた彼の虚ろな姿を夢に見る。

私はどうしたら償いを出来るだろう。

もし、命を絶つ事で償えるなら――』


コンコン、と聞きなれたノックの音がして、博士は返事をした。