FAKE‐LAKE

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久しぶりによく晴れたある日。

アンジェはスケッチブックを抱えて湖へ向かった。頬を掠る風が冷たい。

葉の色は赤や黄色に色づき、秋の風に吹かれはらはらと地面に積もる。一日一日景色は冬へと近づいていく。

いつもの切り株に腰掛け、スケッチブックを開いた。記憶を頼りに描きかけのレイの絵を完成させる。

「懐かしいな……」

今日の湖の色はいつもより濃く深い碧色。背景にその色を淡くのせ、右下にタイトルを書く。

『湖の国の少年』

絵を見つめながら、アンジェはぽつりと呟いた。

「……一体どこにあるんだろう」

レイの故郷。碧く透き通った世界。空気が澄んだ綺麗な国。

「連れて帰ってあげたかったな……」