壁にかけてある幾つかの絵を眺めては、レイは懐かしそうに記憶をたどった。
「あ、これあの時の杏だ! 木から落ちた時の」
そうだよね、と確認するようにアンジェを振り返る。
「忘れてる事もまだ沢山あるんだけど、大分アンジェといた時の事思い出せたよ」
アンジェの絵を見ると思い出すんだ、とレイは嬉しそうに笑った。
「そう言えばニールは? ニール、元気?」
「うん、元気だよ。僕や教授と一緒に一時期はリアレスクを離れてたんだけど、今はまた配達所に戻って働いてる。前みたいに食材配達してくれてるんだ」
市場で絵を売ってくれてるのもニールなんだよ、とアンジェは付け加える。
「時々レイの話しては懐かしがってるから、レイに会ったら大泣きするだろうな」
「あは、泣かせてみたい! ニールの事」
楽しみだなぁ、と悪戯っ子のようにレイは笑った。



