FAKE‐LAKE

二週間の間、マスターに何度も聞かれたその質問にアルは冗談で返す。

「しつこいなぁ。マスターのえっち」

「何がだよ」

軽く拳を上げるマスターにアルは笑いながら答えた。

「別にいいでしょ、どこの生まれでも」

どうせ国籍無いし、とマスターには聞こえない声で続ける。

「あ、それよりさ、ここ夜何時まで開いてるの?」

アルは食べ終わったゴミをごみ箱に捨てて尋ねた。

「夜は九時くらいまでやってる。どうした?」

「僕、明日この国発つから、今日は夜もマスターのとこで食べたいなって」

その言葉を聞いてマスターは寂しそうに笑った。

旅の途中だと聞いていたから、いつかはこの日が来ると思っていたけれど。