FAKE‐LAKE

窓から差し込んだ陽射しに、水色の髪がきらめく。

アンジェはふと、五年越しに完成した絵の事を思い出し、湖の絵をじっと眺めているレイに尋ねた。

「そういえばレイ、旅してるって言ってたけど、もしかして“湖の国”を探してるの?

「ううん」

小さく横に首を振ったレイの声が寂しそうに曇る。

「僕が“湖の国”だと思ってたのは、実は博士の研究室だったんだ」

驚いているだろうアンジェの方を見ず、レイは続けた。

「博士の研究室で僕は生まれたんだ。実際に見たら記憶の通りだった。建物だと思ってたのはガラス張りの機械でさ。どうりで透明な世界な訳だよね」

くす、と笑い、言葉が出てこない様子のアンジェを振り返る。

「僕が信じてた故郷は偽物だった。だから名付けたんだ、『フェイク・レイク』って」