FAKE‐LAKE

「ぐっ……!」

横に上げていたアンジェの左腕がだらりと下がった。手の平と二の腕、肘の少し下から真っ赤な血が流れる。

「自分の作った機械の弱点位把握している」

博士は動かなくなった左腕を押さえて呻くアンジェを見て笑った。

「これでお前は使い物にならなくなった。作った者の責任としてきちんと始末してやる」

博士はアンジェに銃を向けたまま命令する。

「立て。一息で楽にしてやる」

悔しさと憎しみに震えながらアンジェは立ち上がった。

博士は病を抱えた心臓に狙点を定める。カチリと音が冷たい壁に響き、もう駄目だとアンジェは覚悟した。

刹那、二人の間に舞い込んだ白い影。

「レイ!」

意識がアンジェに集中していた博士の腕をすり抜け、レイはアンジェの前に立ちはだかった。

「この人、撃つ、駄目」

虚ろな瞳のままアンジェを庇うレイに、博士は心底驚いた。

「お願い、この人、助ける」

つ、と黄緑色の瞳から涙が一筋流れた。