FAKE‐LAKE

ゆっくりアンジェが振り返った。眠れていないのだろう、また顔色が悪い。

「どうも」

昔のような暗い笑顔を浮かべたアンジェは、引き攣った笑顔のニールと家に入る。

扉を閉めた瞬間、アンジェはニールから荷物を奪い取るようにして受け取り、冷たく言い放った。

「荷物を置いてすぐに帰って」

「え、おい待てよアンジェ」

「早く帰って。疲れてるんだ僕」

目を合わせようともせず、アンジェはさっさと荷物を片付け始める。

「おいアンジェ」

ニールが肩を掴むとアンジェは振り向いて睨んだ。

「帰れ」

その大きな栗色の瞳の奥に悲しみが見えた気がして。

本当にレイはいなくなったんだ。ニールの喉元に塊のような物がつかえた。