FAKE‐LAKE

「ごめんな」

セティはリーナの背中をぽんぽんと宥めるように叩く。

「でも、リーナが俺の事を心配してくれるように、俺も自分の“患者”が心配なんだ」

ぱっとリーナは顔を上げた。睨んでいる彼女にセティは微笑みかけて続ける。

「頑固な親父でごめんな」

リーナは手の甲で涙を拭い、首を振った。仕方ない。男の人にとって仕事とはそういう物なんだろう。

「その、叔父さんの頑固さが良いんだって母さんが言ってた。私には全っ然わからないけど」

きっぱりと言われてセティは苦笑いし、もう一度リーナを抱きしめた。

「仕事は、いいよ。でもせめて何か食べて」

「分かった」

セティは頷き、思い出したように言った。

「リーナ、あれ作れるか?お前の母さんが得意だった」

「ああ、あれ?」