FAKE‐LAKE

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『アンジェ』
 杏の木の下、木漏れ日を浴びてレイが笑っている。
『アンジェ、今年も杏の実がなるかなぁ』
『多分ね』
 枝を見上げて答える。満開の花。
『沢山なるといいね』
 そう言って振り返った時、そこにレイはいなかった。
『……レイ?』
 不思議に思い、辺りを見回す。
『レイ?』
 答えは返ってこない。不安になったアンジェは叫んだ。

「レイ……!!」

「アンジェ!」
 アンジェが夢から覚めると、泣きそうな顔をしたニールが目に映った。
 どうして、ニールが?
 それにレイは? レイはどこ?
「よかった……アンジェ死んだかと思った」
 ニールはアンジェに抱きついた。泣き声だ。余程心配していたのか、なかなか離れてくれない。
 一体何がどうなってるんだろう。僕はどうしてここにいるんだろう。それにここはどこ?
 状況がよく分からない。アンジェは起き上がろうとして肘をついた。いや、つこうとした。
「あ、駄目だ起きるな。お前は」
 ニールが説明するより早くアンジェは自分の体に起きた異変に気がついた。
 左腕が無い。肩から十センチ程の所より下が切断されている。
「どう、して……?」
 ニールは起きた事をアンジェに話しだした。