FAKE‐LAKE

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次の日。

朝日が昇り始め、明るいオレンジ色が景色を染めはじめた頃、アンジェは湖に向かって歩いていた。

吐く息が白い。今朝はいつもより空気が冷たく感じる。

上着のポケットに入れた一センチ程の鉛筆が十数個、歩く度にカラカラと乾いた音を立てた。

乗り込んでやる。

そう決めてから毎日外に出た。隠れている見張りをおびき出すために。

鉄片は手に入らなかったので、芯の硬い鉛筆で弾を作った。鋭く尖った鉛筆はアンジェの指で弾けば十分武器になる。

いつもと違い、アンジェはスケッチブックを持たず景色に目を向ける事もせず、ただひたすら歩いた。

必ずレイを助け出す。そのためなら犯罪者になっても構わない。

的に当てろと言ったのは博士だ。そして僕にとって的は博士。

今度こそ絶対に外さない。

アンジェの表情は、今日の空とは違いどんよりと重たく曇っていた。