FAKE‐LAKE

「レイ」

診察に来たシアナは倒れているレイにそっと手を触れて声をかけた。

レイの目がうっすらと開き、シアナを見上げる。自力では体を起こす事すら出来ない程レイは衰弱していた。

「これを。痛み止めだ」

ゆっくり抱き起こし、小さな瓶に入った薬を口元に持って行く。レイは口を堅く結んだ。

「ほら、早く」

「い、や」

レイは精一杯顔を背ける。嫌だ。変な薬を飲まされて実験された時の事を思い出す。

それでも薬を飲ませようとするシアナを睨みつけたレイは、彼の目に涙が滲んでいる事に気づいた。

「頼む、飲んでくれ。俺に出来るのはこれくらいしかないんだ」