FAKE‐LAKE



「じゃ、頼むぞアツキ」
「ああ。セティも上手くやれよ」
 セティはアツキと最終の打ち合わせをし、基地へと向かった。
 ついに決戦の時が来た。
 やれるだけのことはやった。後は計画通りに事が進むのを祈るだけ。
 博士と研究室に入って十分後にはアツキが来る。その前に博士を眠らせておかないといけない。あまり時間を取ると警察にばれる。レイを連れ出せる余裕は二十分も無いだろう。
 時間との勝負。失敗は許されない。
 セティは深呼吸した。腹部にギリ、と痛みを感じる。
 ニールはアンジェを連れ出せただろうか。ニールが、そしてアンジェが無事であることを願う。


 博士はレイの腕を後ろ手に縛った。記憶が無くて無抵抗とはいえ、“力”を使われたら一たまりもないからだ。
「……そろそろ時間だな」
 アンジェを連れに行った兵がまだ戻って来ていないが仕方ない。
 博士はレイの腕を掴んで立たせた。