FAKE‐LAKE

「なんでシアナがそんな事」
「説明している時間は無い。早くアンジェを連れ出さないと」
 そう言っておいて、アンジェをロスタナに連れていく気かもしれない。ニールは二階へ上がろうとするシアナを押し止めて叫んだ。
「だからなんでだよ! なんでシアナが」
 シアナは鋭い目でニールを見据え、はっきりと答えた。
「博士はレイを脅すためにアンジェを殺す気だ。レイの目の前で」
 ニールは息を飲んだ。一瞬その光景を想像してしまい、ぞくりと背筋が凍る。
「そんなの見せられてみろ、レイはきっと正気じゃいられない」
 悔しそうにシアナは拳を握った。
「ただでも酷い目に遭わされてるのに……」
 やっぱりレイは酷い目に遭っているのか。ニールは唇を噛んだ。
 でも、どうしてスパイだったはずのシアナがレイを助けようとするのだろう、とニールは不信そうな目をシアナに向ける。
「俺は必ずレイを助ける。でもその前にアンジェを逃がさないといけないからここに来た。疑いたいなら疑え」