FAKE‐LAKE

普段なら気にならない妹達の笑い声にさえ苛立つ。

そんな自分が嫌になり、ニールは家を出た。あてもなくふらふらと街を歩く。

『おはようニール』

ふいに声が聞こえて振り向く。そこには誰もいなかった。

胸が苦しい。

傷ついたとか、腹がたつとかじゃない。

ただ、素直に信じていた世界が崩れて。目の前の出来事全てが嘘っぽく見えて来て。

初めて、人を信じる事が怖いと感じた。

「ニール」

ぽん、と肩を叩かれて我に帰る。

「親方」

ニールは慌てて目を擦った。元気そうな声で挨拶する。

「お疲れ様です。営業の帰りですか?」

アルクはニールの作り笑いを見て、何かを感じとったようだ。