FAKE‐LAKE

お前は道具。従え。黙って従え。

お前に存在価値はない。実験に使ってもらえるだけありがたいと思え。

化け物。お前に自由なんてないんだ。

いいか、従え。
従え、従え従え従え――


ぼんやりしてきたレイの心に刷り込むかのように繰り返される罵倒と命令。

――従えば、いい……?

自分の存在を物理的にも心理的にもめちゃくちゃに踏みにじられ、レイの決意が揺らぎかけた。

従うべき……なのかも……
だって僕は……価値がない……くず……

『……弟だよ』

突然、アンジェの声がはっきりと耳に響いた。

『何があっても、レイは僕の大事な弟だよ』

その言葉にはっとした。そうだ。

『レイはレイでいいんだよ』
『何があっても大事な弟』
『何があっても大事な』
『大事な』

そうだ、僕は道具じゃない。くずでもない。

僕は……


ぐったりと気を失ったレイを見下ろし、兵は呆れたように息を吐いた。

「何て強情な奴なんだ」