FAKE‐LAKE

「はい……」

つい疲れた色を滲ませたセティの返事に、上官は声を和らげた。

「君は本当によくやってくれた。今回は適当な人材がいないため医師であり研究者でもある君にお願いしたが、潜入捜査が初めてにしては上出来だ。感謝している」

「ありがとうございます」

「博士を逮捕してしまえば君は任務完了だ。後始末は我々が引き受ける」

“後始末”。その上官の言葉にセティは不安を感じた。

「博士を逮捕出来た暁には、Rは無事解放されるのですよね」

もしアンジェも博士に捕まればレイと同じ扱いを受けるはず。そう思い、セティは確認するように尋ねた。

「なにを言ってるんだ」

途端に上官の口調が変わる。

「あれは人間ではない。奴らが作った兵器だ。証拠として使った後は処分する」

「そんな、彼等は何も」

「君は」

思わず声が大きくなったセティの言葉を上官は厳しい言葉でさえぎった。

「国民の不安要素にもなる物を放置しておけと言うのかね」