「夜中に目が覚めたら体は楽になってて。テーブルには薬があった。まるでレイと引き換えみたいに」
そうか、とニールは俯いた。よく確かめずに薬を交換してしまった事を後悔する。今更どうにもならないのだけれど。
「タンスから上着と帽子が無くなってて、帽子だけ外に落ちてた。どういう事かわかる?」
アンジェは悔しそうに言った。
「多分、レイは薬をもらいに外に出たんだ。僕のために」
「アンジェ」
「僕が具合悪くならなければ、レイは外に出ずにすんだ。外に出さえしなければ、レイは捕まらなかったんだ」
アンジェは目を伏せた。ぽたぽたとテーブルに涙が落ちる。
「僕のせいだよ。レイが捕まったのは」
そんな事ない、と言おうとしたニールを遮りアンジェは続けた。
「だから、僕のために今度はニールを危険にするのかと思うと耐えられなくて」
ひどい事言ってごめんね、と謝る。
ああ、いつものアンジェだ。ニールはほっとした。
「あのな、アンジェ」
人差し指をアンジェに向け、ニールはきっぱりと言った。
「おれ、頭悪いからそういう遠回しな優しさに気づいてやれない」
「そうだろうと思ったからそうしたんだよ」
「こいつ」
ニールが苦笑いするとアンジェも少しだけ笑った。
灰色の雲間を割って太陽が覗き、窓から眩しい陽射しが入ってくる。その短い間、光を浴びる二つ並んだ杏の鉢。
二人とも黙ってレイの事を思い出していた。
明るい笑い声、可愛いと言われてふてくされた顔。くすぐったがりな所、甘い物を食べた時の幸せそうな顔、泣き虫な所、あどけない寝顔……
「妖精みたいな奴だったな」
そうか、とニールは俯いた。よく確かめずに薬を交換してしまった事を後悔する。今更どうにもならないのだけれど。
「タンスから上着と帽子が無くなってて、帽子だけ外に落ちてた。どういう事かわかる?」
アンジェは悔しそうに言った。
「多分、レイは薬をもらいに外に出たんだ。僕のために」
「アンジェ」
「僕が具合悪くならなければ、レイは外に出ずにすんだ。外に出さえしなければ、レイは捕まらなかったんだ」
アンジェは目を伏せた。ぽたぽたとテーブルに涙が落ちる。
「僕のせいだよ。レイが捕まったのは」
そんな事ない、と言おうとしたニールを遮りアンジェは続けた。
「だから、僕のために今度はニールを危険にするのかと思うと耐えられなくて」
ひどい事言ってごめんね、と謝る。
ああ、いつものアンジェだ。ニールはほっとした。
「あのな、アンジェ」
人差し指をアンジェに向け、ニールはきっぱりと言った。
「おれ、頭悪いからそういう遠回しな優しさに気づいてやれない」
「そうだろうと思ったからそうしたんだよ」
「こいつ」
ニールが苦笑いするとアンジェも少しだけ笑った。
灰色の雲間を割って太陽が覗き、窓から眩しい陽射しが入ってくる。その短い間、光を浴びる二つ並んだ杏の鉢。
二人とも黙ってレイの事を思い出していた。
明るい笑い声、可愛いと言われてふてくされた顔。くすぐったがりな所、甘い物を食べた時の幸せそうな顔、泣き虫な所、あどけない寝顔……
「妖精みたいな奴だったな」



