FAKE‐LAKE



「おはよう」

次の日、朝早く仕事場に向かう途中、ニールはシアナに声をかけられた。

「おはよ、シアナ。早いね」

あ、朝刊配達終わったとこかと言うニールにシアナは意味ありげな笑みを浮かべた。

「ニールこそ早いじゃないか。朝帰りなんてうらやましい」

きょとんとしているニールにシアナは言う。

「昨日ニールに会いに行ったらいなくてさ。リルが言ってたよ、お兄ちゃんに彼女が出来たらしいって」

「かの……」

シアナの言う『朝帰り』の意味が分かって、ニールはなぜか慌てた。

「違うよ、友達んとこ! おれ、彼女なんていないし」

「隠す事ないだろ? ニールももう成人なんだし彼女の一人や二人いてもおかしくない」

「いや、違うから! しかも二人いたら問題だろ」

確かに、とシアナは爽やかに笑った。