FAKE‐LAKE

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「あれ、どうしたんすか」
 いつも通りに出勤したニールは、配達所の外で中をこわごわと覗いている先輩配達員達に尋ねた。
「あ、ニール、今お前来るな」
 彼らは、何かあったのかと中を覗こうとしたニールをぐいと押し退ける。
「どうしたんすか? なんかあったんすか」
 いつもはのどかな職場に漂っている異常な緊張感。戸惑うニールに、一人の先輩が小声で耳打ちした。
「お前、なんかやったろ」
 何かやったかな、とニールは頭をフル回転させる。全然覚えは無いのだけれど。
「あんな所長初めて見たぜ。今お前の仕事の依頼人が来てるらしいんだけど」
「所長が怒鳴るなんて初めてだもんな。何やったんだ、お前」
 ニールは首を傾げた。失敗した覚えは一切無い。自信がある位だ。
「あ、こら待て、入るな」
 先輩達が止めるのも構わずニールは配達所に入って行った。