FAKE‐LAKE

「おい、いいぞ出てきて」
 暗闇から出てきた数人の男たちに“医者”は言った。
「縛っておけ。もうすぐ博士がつくだろう」
 男たちはレイの両腕を後ろに捻り、逃げられないようにきつく縛りあげる。
「上手くやったな」
「なに、ガキ一人騙すくらい朝飯前さ」
 兵の一人に肩を叩かれ、満足そうに“医者”は笑った。


 頭が痛い。体が動かない。一体僕はどうしたんだろう。
 レイはぼんやりとした意識で考えた。ざわざわと周りの声が聞こえてくる。
「よくやったな」
「ありがとうございます博士」
 ……博士?
 僕はアンジェの薬をもらいに街に出たはず。お医者さんに会ってそして……
 レイははっとして目を開けた。
「おや、お目覚めだ」
 馬鹿にしたように笑う声達が自分を取り囲んでいる。
「久しぶりだな、レイ」
 近づいてくる男を見上げたレイの顔から血の気が引いた。