FAKE‐LAKE

食事を始めて少ししたころ、レイは食べる手を止めて口を開いた。

「ねえ、アンジェ。話したい事があるんだ。いい?」

「うん。何?」

すっ、とレイはテーブルに視線を落とす。

「さっきの……僕の体がおかしいって話」

アンジェは黙って頷き、先を促した。

「前から何か変だと思ってたんだ。小さい頃に、時々手が痺れて何かに触ったら壊す事があって」

レイは自分の手の平を見つめながら続ける。

「博士が“テスト”してたころは何も起きなかった。だから忘れてたんだけど、最近また手が痺れはじめた。あのコップを壊すより少し前から」

アンジェは窓枠に置いたコップのカケラを見た。

「あれ、落としたんじゃないんだ。僕の手が触れたから壊れたんだ」