FAKE‐LAKE

「もし捕まったら青い鳥は篭の中で飼われ、悲しい最期を迎えなければいけなくなる。……そうなれば君も」

薄茶色の瞳が、微かに揺れたアンジェの表情をとらえた。医師は低い声で続ける。

「同じ道をたどる事になるかもしれない」

大きく見開かれたアンジェの目が、医師の謎めいた表情を見つめる。

何が言いたいのか。レイの存在に気付いているのか、いないのか。

医師の曖昧な微笑みからはその本意は読み取れない。

「……幸せの青い鳥には会わない方がいいみたいですね」

変わらずに淡々とした口調でアンジェは言った。

「僕、今以上の幸せはいらないですから」

あくまでお伽話として話を流す。アンジェは笑顔でこの話に終止符を打った。