FAKE‐LAKE

 黙りこんだセティに上官はさらに追い打ちをかける。
「もし、彼らが反乱でも起こしたら。他国に流れていき実際に使われるような事になったら。君は責任を取れるのかな」
「それは……」
 絶対に無い、と言いかけてセティは言葉を飲み込んだ。
 下手な事を言うと命取りになりかねない。彼らは裏で教授の事も捜しているはずだ。
 長い沈黙に、受話器の向こうで上官はふっと笑った。なかなか答えないセティを、うろたえているのだと受け取ったらしい。
「まあ、君に手を下せとは言わない。我々が始末するから君は博士を逮捕できる状況作りにだけ専念してくれ」
「了解しました」
 落ち着き払った声で返事をするセティが本心では納得していない事に気づいているのだろう。上官は釘を刺すように厳しい声で言った。
「セトナ君。綺麗事では国の治安は守っていけないのだよ」