FAKE‐LAKE

「なに?」
「ゴミついてた」
 モテるにはまず身だしなみからだぞ、と笑うシアナに軽くパンチを食らわす。
「あ、やば仕事行かなきゃ。じゃまたシアナ」
 ニールは手を振り元気に配達所へと駆けて行く。
 にこやかに見送っていたシアナの笑顔は、ニールの姿が見えなくなると同時に空中へ消えて行った。
「友達の所、か」
 ニールの服についていたゴミを袖にのせる。
「まさか君が関わっているとはね、ニール」
 ただの糸屑に見えたそれは、白い上着の袖にのせると色がはっきり分かった。
 緩いカールのかかった細い髪。空より少し淡い水色。“R”の髪と同じ色。
「……やっと見つけた」
 踵をかえすシアナの表情は、人の良い新聞配達員から冷淡な捜索員のものに変わっていた。