FAKE‐LAKE


食堂に向かったアツキは、資料を脇に抱えたセティが出て来るのと鉢合わせした。

会おうとしていたはずなのに気まずくて、アツキは目を逸らす。

「アツキ」

先に口を開いたのはセティだった。

「お前、俺に何か言わなきゃいけない事ないか」

ああ、やっぱり怒っている。アツキは素直に頭を下げた。

「この間は……悪かったよ」

「この間?」

セティは怪訝そうに聞き返す。

「何の事だ」

「いや、だからこの間ひどい事言って」

ああ、とセティは軽く受け流し廊下の壁にもたれた。

「そうじゃなくて。もっと謝らなきゃいけない事あるだろ」

「え?」

アツキは首を捻った。思いあたる節がない。

セティは意味深にニヤリと笑った。