FAKE‐LAKE

「うん、何?」

指の震えがおさまってきたアンジェは微笑んで尋ねる。

「僕の、家族になって」

一瞬何を言われているかわからなかった。思わず、え、と聞き返す。

大きく見開かれたアンジェの栗色の瞳に映るレイの表情は真剣だった。

「僕にはお父さんもお母さんもいない。兄弟も誰もいない。居るのは僕を“道具”扱いする人間だけ」

レイは悲しそうに目を伏せる。

「アンジェみたいに僕を人間として見てくれる人はいない。僕が信じられるのはアンジェだけ。僕にはアンジェしかいないんだ」

だからお願い。

そう言ってレイは目を上げた。

「僕の……家族になって」