FAKE‐LAKE

「……博士に追われる夢」

レイは俯いてぽつりと答えた。

「真っ暗で先が見えなくて怖いんだ。走っても走っても逃げられなくて。捕まって、殴られて、そして」

言葉を止め、レイはその場にうずくまった。駆け寄ったアンジェに、以前のようにしがみつく。

「あは、駄目だ。これ以上話せないや」

大丈夫だと思ったのに、とレイは震えた声で笑う。

「話そうとしたら思い出すんだ。そして思い出したら、また独りが怖くなるから」

――独りが、怖い。

アンジェの、遠い記憶の中で同じ言葉を繰り返す少年がいた。


『独りぼっちが、怖いの』

『大丈夫。ほら、おじさんがいるだろう?』