涙の欠片


「お父さん怒ってる?」

「何で?」

「ほら…学校休むし」


お母さんはフッと笑って首を振る。


「何でこの状況で怒るのよ。何も怒ってないわよ…、ただ凄く恵梨菜の事、心配してる」

「…うん」

「恵梨菜、一人で大丈夫?」

「うん。聖梨香、一人でしょ?帰っていいよ」

「何かあったら言いなさいよ」


そう言ってお母さんは病院を後にした。


お母さんと話す事なんてめったにない。

それにお母さん自体、来てくれるなんて思ってもみなかった。


もう外は暗くなりはじめている。

静まり返ったこの部屋…

左腕のチューブから流れ落ちる液体…

ズキズキ痛む傷痕…



もう自分が嫌になる…。


その後、医師が来てはっきり告げられた事によって、あたしの頭の中は真っ白になり目から涙が落ちていた…。