だれかだれかと、鼻の奥がつんとなる願望。
涙がこぼれる衝動。

白刃を煌めかせ、その手を振り下ろす衝動。
この背を貫く願望。

堪えかねて、痛みと終焉をこいねがう願望。
皮を肉を裂く衝動

末期の刹那、もはや哀願の声も消える衝動。
愛玩されたい願望。


飛散する液体。
悲惨なる精神。
断ち切る硬骨。
おとなう恍惚。

一夜が明けて。
また夜が来る。



そんな自殺願望。
こんな他殺衝動。






彼女が殺したのは98の男。
彼女を殺したのは98の年月。

「運命とは斯くも皮肉なものなのさ!」