私を好きだと、聡は会うたびに言ってくれた。
自分の気持ちを素直に伝えても、その思いは変わらないでいてくれるのかな。
『……依子?』
言葉だけじゃ、本心を垣間見ることはできない。
「あのね、明日、会えるかな」
『明日は……、六時まで仕事入っているから、その後だったら』
「六時……。謝恩会が四時に終わるから、仕事が終わったら連絡してくれる?」
『あぁ、明日、卒業式だったな』
「――うん」
その声が、話し方が、すべてが愛しくて。
いますぐにでも会いに行きたいという気持ちに襲われる。
そして、失いたくない、とさえも……――。