どうして?

――それは私が、その男に惹かれ始めているからです。


一晩限りなのだと覚悟を決めたくせに、私は聡に抱かれながら思う。

次に会う約束を、あなたはしてくれないの? と。


二度目の行為が終わったあと、聡はまたベッドのうえでタバコを吸う。

ゆらゆらと立ち上る煙をぼんやりと眺めている私に、聡は静かな声で言った。


「明日、また会える?」


私はぐったりと疲労感に包まれた身体を無理やり起こし、笑って言う。


「もう日付が変わってしまってるんだよ? 今日じゃなくて、明日?」

「……あぁ、そっか。じゃあ、今日会える?」


苦笑しながら改めて誘う聡に、私は笑みを保ったまま小さく頷いた。