「来るの早かったね」 「うん。すぐそこに住んでいるから」 「へぇ」 私がどこに住んでいるのか、聡はさほど興味がないように聞き流した。 そんな聡を見て落胆してしまう。 夢中になっているのは私だけなのかな。 聡は単に、旅先で知り合っただけ、くらいにしか思っていないんだろう。 「じゃあ行こうか」 「……え?」 きょとんとする私に、聡は「俺のウチ」と笑って言う。 「聡の……家?」