笑いながら、聡は床の上に直に腰を下ろした。


「……どうして、来たんだ?」


会いたかった、と言ったくせに、聡は私が突然尋ねてきたことを問う。


「私には、やっぱり聡しかいないと思ったから」


自分を騙した男を前に、私はきっぱりと言いのけた。

聡はそんな私を見て、唖然としている。


「騙されていたって分かったあとも、私のなかにいつも聡の存在があって……」


まだ話の途中なのに聡は無言のまま立ち上がり、部屋のクローゼットの中から小さな紙袋を取り出し、それを私に差し出した。


「……俺もバカだよな」