「ずっと会いたかった」


そう言われても、私は気持ちをダイレクトに伝えることができず、ただ、涙を零すことしかできなかった。


二月の冷たい風が身体を包み込み、思わず身震いした私に聡は静かな声で言った。


「とりあえず、中に入ろう。話したいことがたくさんあるから」

「――うん。私も、たくさんあるから」


聡に肩を抱かれ、部屋の中へと足を踏み入れる。

ゆっくりと閉まっていく、玄関のドア。

その隙間から、ビルの隙間に沈み始めた、オレンジ色に染まる大きな太陽が見えた。


聡の部屋は、今まで住んでいた高級なマンションとは比べものにならないくらい狭かった。

フローリングの小ぢんまりとした部屋に通され、小さなカウチソファーに腰を下ろす。


「何だか、すっかりみすぼらしくなったな」