部屋に戻り仔猫としばらく遊んでいると、玄関のチャイムが鳴った。 鳴らした主は、誠司だった……――。 「……珍しいね、急に来るなんて」 律儀な性格の誠司が、連絡もなしに突然やって来るのは初めてだった。 誠司は手に持っていた茶封筒を、静かにテーブルの上に置く。 「なに? これ……」 そっと茶封筒を手に取り、中を覗くと、書類らしきものが何枚か折りたたんで入っていた。 「……彼の居場所が書いてる」 「え……っ?」 誠司の言葉を聞いて、封筒のなかの書類を引き出そうとした指が止まった。