振り絞るようにして出てきた声は、もがき、真実を求める。
「いや、本当。このマンションも車も、玲子さんからのプレゼント。資産家の両親なんて、俺にはいない」
社長のことを『玲子さん』と呼ぶ聡の声は、ひどく落ち着いていた。
冷たくて、淡々としていて。
「あのカフェでバイト始めたのも、フィレンツェに行ったのも、すべて玲子さんの指示だよ」
その時期……――。
私は誠司と付き合っていて、行き着けのカフェのことも、フィレンツェでのスケジュールも、すべて話していた。
きっと誠司はそのことを、母親でもあり、私の未来の姑になる予定の社長にも話していたんだろう。
「――どうして……」


