ぱたりと静かに冷蔵庫を閉める音。

ゆっくりとこちらに向かって来る足音。

私が座っているソファの隣に、聡が腰を下ろす気配はない。



「……遊びに出かけた燕を、女社長はまだ探していた?」



ドクン、ドクン、と、重低音を響かせながら押し迫ってくる胸の鼓動。

それに同調するかのように、涙が次から次へと溢れ出す。

薄紅色のスカートは、きれいな水玉模様から大きな水溜りへと形を崩していく。


私は、ただ無言でじっと座っているだけだった。

聡はそんな私に、容赦なく言葉を続けた。


「そっか。依子に暴露したのか。……いい加減、帰って来いってことだな」

「……嘘……でしょう?」