すべて……社長が仕組んでいた……?

それだけは分かったけれど、そこにどんな理由が存在しているのか、答えが出てこない。


私はカフェを立ち去ったあと、あてもなく歩きながら聡の携帯に電話する。

残業がなければ、もう会社を出ている時間だ。


『――もしもし、依子?』

「……聡……」


何も知らない聡は、いつもの調子で私と話す。


『いま帰っているところなんだ。依子は?』

「あ……、うん。私も、いま、帰っているところ」

『じゃあさ、俺のマンションの前で待っていて』

「――うん……」