私なりに話をまとめてみるものの、それは次第に心のなかを混乱させた。

真意を辿ろうとする私に、社長はもう一度、尋ねた。


「――聡は元気かしら?」

「――――っ!?」


両手で持っていた木目のトレーが私の手を離れ、深紅のカーペットに落ちた。

鈍い音を立てたあと、はた迷惑な回転音を何度も繰り返しながら、トレーはゆっくりと動きを止める。


「いま……なんて……」


そう聞き返すのが、精一杯だった。

私の心拍数は次第に乱れ始め、口の中がカラカラに渇く。

胸の奥の小さな心臓までもが混乱を来たし、重低音を響かせながら暴走し始めた。


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