納得のいかない返事をする私に、聡は口を尖らせて言う。


「違う男が出入りしていた部屋には住みたくないよ」


子供のように拗ねる聡に、私の心臓がドキッと大きく跳ねる。

初めて見た、聡が他の男に妬く姿。


「そうだね。私ってば本当に無神経だったね」

「だろ? 少しは男心ってものを理解しろよ」


笑って聡は私の頭を軽く小突いた。



聡との生活も仕事も順調で、毎日の淡々とした生活に生きがいを感じる。

社長とは顔を合わせるのは、二日に一回の割合でお茶を出すときだけ。

それも、お茶を差し出して終わりだから、社長室に異動してきた頃の緊張感はすっかり消えていた。