「新入りも古株も関係ないわ。特に月島グループでは、ね?」
「……社長。時間がありませんので、早く昼食を」
呆然と立ちすくむ私を残し、社長は秘書とともにその場を立ち去った。
社長……誠司のお母さんが残した意味深な言葉は、すぐに形となって表れた。
一週間後。
それまで総務部に籍を置いていた私に、突然出された辞令。
「萩原さん、すごいわね。社長室に異動だなんて」
総務部まえの廊下に貼り出された異動交付を眺めながら、感慨深げに溜息をつく同僚の声が耳に入らなかった。
「なにかスキルでも持っていたの?」
私と社長の繋がりを知らない同僚は、異例ともいえる新入社員の社長室異動に興味津々だ。


